ここでは、看護学生向けのパンフレットの作り方を紹介します。
看護実習と切っても切り離せないパンフレット作りに頭を抱えている看護学生さんも多いのではないでしょうか。
そこで、今回も看護大学の教員経験のある方からパンフレット作成のポイントを聞いてきたのでぜひ参考にしてください!
1.看護学生がパンフレットを作るべきタイミングとは?
例えば、3週間の実習期間があるとします。
1週目 |
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2週目 |
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3週目 |
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この例だと、パンフレットを作るタイミングとしては2週目が良いです。
なぜなら1週目では情報不足で個別性を出すことが難しいですし、3週目(最終週)では評価までたどり着けないからです。
また実際に患者さんに渡す前に、学生指導の看護師に必ずパンフレットを確認してもらいます。
修正が必要なこともありますが、2週目に作成できていれば時間に余裕があるので修正可能です。
実習期間を逆算して、遅くても最終週の頭にはパンフレットを用いた指導ができるように準備しておきましょう。
そもそも、パンフレットを作った方がいいのかどうか迷うこともありますよね。
もちろん、全ての患者さんに必要なわけではありません。
看護過程を展開する中で何らかの指導が必要だと判断した際にパンフレットを作成しましょう。
しかし、パンフレットはあくまで手段なので、これにこだわる必要はありません。
2.看護学生がパンフレット作成時に気をつけるべき3つのポイント
時間も労力もかかるイメージのあるパンフレット作成ですが、1から作成しなくて大丈夫。
もし病棟に同じ指導内容のパンフレットがあるなら、そこに受け持ち患者さんの個別性を持たせた補足パンフレットを作成すれば良いのです!
作成時に気をつけるポイントは以下の3つです。
パンフレット作成時に気をつけるべきポイント |
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ここでは以下の患者さんの例に沿って説明していきます。
事例
- 治療のため塩分制限(6g/日)が必要な男性
- 麺類が好きで、日頃からよく食べる
2-1.指導内容に具体性を持たせる
「塩分は1日6gまでにしましょう。」
「含まれる塩分→ラーメン:7.0g、きつねうどん:4.5g、焼きビーフン:2.9g」
例えば「塩分は1日6gまでです。」と言われても、なかなかピンときません。
なぜなら普段、食事に含まれる塩分を気にする習慣がないからです。
そもそも自分で食事を作らないかもしれないですしね。
例の患者さんなら「麺類が好きで、日頃からよく食べる」という情報もあわせて○のように提示した方が、患者さん自身もイメージしやすくなります。
好きな食べ物など、受け持ち患者さんにとって身近なものを例に挙げることで個別性も持たせることができますよ!
2-2.専門用語を使わない
これは極端な例ですが、上の文章をイラスト付きで教科書通りに説明したとしても患者さんには何も残りません。
塩分制限が必要な理由は分からないままになってしまいます。
専門用語は使わずに、誰が読んでも理解できるということを大切にしてください。
2-3.『できないこと』ではなく『できること』を伝える
2-1の記載をパンフレットで見た患者さんはきっと、「麺類全然食べられないじゃん…」となりますよね。
しかし、ここで一緒に気まずくなってはいけません。
- ラーメン→減塩のインスタンとラーメンを試してみる
- きつねうどん→出汁の旨みを効かせた手作りのものにする
このように、できることを前提としたポジティブ変換しましょう。
「〜するのはやめましょう。」というネガティブな表現は、患者さんに窮屈さを感じさせてしまいます。
今までの習慣を変えることは、私たちが想像する以上に大変です。
実現しやすいような、患者さんに寄り添ったパンフレットを目指してください。
3.看護学生なら知っておきたいパンフレット作成時に使えるイラストまとめサイト3選
ここでは無料で利用できるイラストまとめサイトを紹介します。
以下の3つのサイトはパンフレットに使用しても問題ないことを確認済みですが、イラストを使用する際には、各サイトの注意事項に必ず目を通してください。
患者さんの年齢に合わせて選んでみてください。
3-1.看護roo!
出典:看護roo!
看護学生や若手看護師向けのメディアなだけあって、看護学生に必要なものは全てここにあります。
教科書レベルの細かいイラストまで揃っており、全てのジャンルのパンフレット作成に対応可能です。
また常にイラストのアイディアを募集しており、定期的にイラストが追加されているのでチェックしてみてください。
会員登録不要で利用できますのでどんどん活用しましょう。
3-2.いらすとや
いらすとやには医療カテゴリーがあり、パンフレット作成に役立ちそうなイラストが揃っています。
看護roo!と比較すると簡単な絵が多いですが、患者さんによってはこちらの方が受け入れやすく感じるでしょう。
医療カテゴリーだけでなく他のカテゴリーにも使えそうなものがあるのでチェックしてみましょう。
3-3.イラストAC
出典:イラストAC
登録が必要ですが、無料で1日20点までダウンロードできます。
圧倒的なイラスト数で、様々なテイストのものが揃っているので小児から成人まで幅広く対応できます。
あまりにもイラストの数が多いので、フリーワード検索機能を利用するのがおすすめ。
4.看護学生のパンフレットに関するよくあるQ&A3選
パンフレット作成時によく看護学生から聞かれる質問を集め、多かった質問の回答を以下にまとめました。
一生懸命作成したパンフレットは受け持ち患者さんにとても喜ばれます!
ぜひ、今後のパンフレット作りの参考にしてください。
4-1.文字の大きさはどれくらいが良い?
パンフレットを渡す患者さんの年齢を考慮する必要がありますが、手書きなら大きめを意識し、パソコンで作成する場合には14pt以上に設定することをおすすめします。
小さな字を読み慣れない子供にも、老視のある高齢者にも読みやすいからです。
Windowsに標準搭載されている「メイリオ」はユニバーサルデザインを意識して作られたフォントなのでおすすめです。パソコンでパンフレットを作成する時には参考にしてください。
4-2.ページ数はどれくらい?
病棟にあるパンフレットに個別性を持たせた補足分として考えて、A4サイズで1〜2枚分で十分でしょう。
作成前にパンフレットの目的は何か明確にしておくと、ポイントを絞りやすくなります。
あまりページ数が多いと、本当に伝えたいことが分からなくなってしまうので注意が必要です。
また、イラストや図を多めにすると読みやすく、患者さんからも受け入れられやすいパンプレットになりますよ。
4-3.個別性のあるパンフレットとは?
個別性のあるパンフレットとは、その患者さん専用のパンフレットということです。
病棟にあるパンフレットは全ての患者さんに向けたパンフレットなので、そのパンフレットを受け持ち患者さん用にカスタマイズしましょう。
まずは実習序盤にできるだけコミュニケーションをとって、性格や生活習慣、食生活など患者さんを知ることからはじめましょう!
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、看護学生が悩みやすいパンフレットの作り方について紹介しました。
実習中という短期間の中で記録と並行してパンフレットを作成するのはとても大変ですよね。
この記事が少しでも学生さんの役に立っていれば幸いです。