この記事では、看護学生が1年生の時にどのような参考書を使うのかについて紹介していきます。
看護学生は、1〜4年生になるにつれて体系的に看護を学んでいくため、それぞれの学年で使う参考書の種類も変わってくるのが一般的です。
ですが、書店や通販サイトなどでは、評価の高い参考書を進めてくるだけで、その参考書が何年生向けなのか、また評価に見合った読む価値のあるものなのかについては説明されていないことが多々あります。
そこで今回は、看護学生の1年生がどのような勉強をするのかいという観点から、実際に使ってみて本当に使えると思った参考書だけを現役看護学生が解説していきます。
1.そもそも看護学生は1年生の時に何を学ぶのか?

看護学生が1年生の時に学ぶことは、大きく分けて2つです。
では、それぞれどのようなことを学ぶのか、詳しく見ていきましょう。
1-1.看護の理論
看護の理論て何?と思う方もいると思います。
実はここ、意外と大切な部分だったりします。
その理由を理解するためには、少し先の話を知っておく必要があります。
3年生、大学によっては2年生になると、ペーパーペイシェントという仮想の患者さんの事例を用いて、どのような看護をするかということについて考えていくようになります。
これを看護過程の展開といい、患者さんの情報から現在の健康状態、今後起こりうる事態などについて分析し、実際にどのようなケアをするのかについて計画を立てていきます。
ですが、むやみやたらに散らばった情報をかたっぱしから分析していくわけではありません。
雑多に散らばった情報を整理し、系統立てて分析をしていきます。
ここで看護学の概要や理論についての知識が生かされます。
これまでの看護の歴史の中では、いくつかの看護理論が提唱されてきました。
その中でも、今後の学生生活で何度も出てくる看護理論を提唱しているのは、以下の4人です。
1年生で学ぶことが多い看護理論 |
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1-2.人体の仕組みや働き
1年生は、1番最初に人体の基本的な構造や働きなどについて学びます。
解剖生理学と呼ばれていることが多いです。
この講義は恐らく、1番最初に看護学生になったことを実感できる授業だと思います。
そして、先輩たちが口を酸っぱくして「絶対にしっかり講義受けといた方がいいよ!」という科目でもあります。
なぜなら、2年生、3年生と進むごとに、体の異常な状態について学んでいくからです。
体の正常の状態がわからないままでは、異常なのかどうかの判断がつきません。
また、体のどの部位がどのような機能を果たすのかについて知らなければ、障害されたことにより起こる体の障害や、今後起こりうる事態についても把握することができません。
他のどの科目をテキトーに受けてもさほど今後への影響はありませんが、解剖生理学だけは別だということを覚えておきましょう。
次は、これらを踏まえてどのような参考書を読むと良いのかについて解説していきます。
2.看護学生が1年生の時に読むべき参考書5選

ここでは、看護学生が1年生の時に読むべき参考書を紹介します。
看護学生が1年生の時に読むべき参考書 |
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基本的には、学校から買わされるような参考書は省いてあります。
次に、それぞれの参考書について詳しく見ていきましょう。
2-1.ナイチンゲール=看護覚え書
この本は、学校側から買うように指示があるかもしれませんが、こちらでも紹介したいくらい重要な参考書です。
ナイチンゲールの看護覚え書では、様々な看護の視点を養うことができます。
この視点が持てていると、今後看護過程を展開するときにも実習に行く時にもどのようなポイントを観察するべきかなどを考える時の参考にできると思います。
正直なところ、「そんなところにまで気が回っていたのか!?ナイチンゲールすげぇ…」と驚くことになると思います。
2-2.実習記録の書き方がわかる 看護過程展開ガイド
この参考書には、ヘンダーソン、ゴードン、オレム、ロイの看護理論やその使い方などをまとめてくれています。
正直これだけあれば、看護理論の重要なポイントは抑えられると思います。
また、2,3年生になってからの看護過程の展開をする際の参考書にもなるため、なぜ今看護理論を学んでいるのかを体感することができると思います。
今後学習を進めていくにあたり、何度も読み返したくなる1冊です。
2-3.看護の現場ですぐに役立つ 解剖生理学のキホン
看護師に必要な部分の知識を図や表などを用いて、かなりわかりやすく説明してくれている参考書です。
また、覚えるべきところには赤線が引いてあるため、暗記シートを使いながらワークブックとしても利用できます。
学校では、分厚い解剖生理学の本を買わされると思います。
確かに、細かく見ていくためにはそのような分厚い本の方が良いですし、辞書としても使えます。
しかし、このような1冊があると、本当に抑えておきたいポイントだけをさらっと抑えることができるのでおすすめです。
2-4.看護師・看護学生のための なぜ?どうして?シリーズ
この参考書は、読んでいるだけで国試が解けるようになると謳われている参考書です。
対話形式で、1つずつ丁寧に解説してくれるので、とても読みやすいです。
また、「なぜこうなっているんだ?原因は?機序は?」と考える時に、こちらの参考書が役に立ちます。
ちょうど知りたかったというところを解説してくれているので、買って良かったと思える参考書のうちの1つです。
2-5.看護師1年目から身に付けたい一生を支える大切なスキル
こちらは、就活が終わった4年生に向けて販売されがちですが、看護学生の1年生から読んでおいても損はしません。
現場の看護師にはどのようなスキルが求められているのか、これから学ぶ技術をどの程度まで活用できるようにしておけば良いのかなどがわかるため、むしろ最初に読んでおくべきだったと僕は後悔しています。
また、複数の業務に追われ、常に忙しい看護師がどのようにタスクを捌いていくのかについての知識は、看護学生にも活用できるテクニックでもあるため、知っておくと周りと差がつく1冊だと思います。
2-6.看護がみえるシリーズ
看護がみえるシリーズは、4冊のラインナップがあります。
それぞれ、イラストや画像が多く、ポイントも細かく解説してくれているため、実習や課題をやる時にとても役に立ちます。
根拠も含め解説されているため、指導者さんや先生からの質問に答えられるだけの知識を身につけられます。
3.まとめ
今回は、看護学生の1年生におすすめの参考書を紹介しました。
どの本も実際に読んでみた上でおすすめしていますので、読む価値については信憑性があると思います。
特に解剖に関しては、看護師を目指す以上、一生ついてまわる分野ですので1年生の時からコツコツと勉強していくことをおすすめします。
雑談
看護学生は、学年が上がるごとにGPA(成績)が下がっていく人ばかりです。1年生のうちに良い成績を取っておくと後々自分の身を助けたりするから頑張っておくと良いです。